31年ぶりの貿易赤字への転落は、随分と前から、既に予想されていたことでした。日本経済は、政府の無策により”6重苦”の状態が、そのまま放置されてきたのですから。
”6重苦”の一つは、言わずもがな、電力問題です。福島第1原発の事故以来、民主党政権は、原発再稼働に対して後ろ向きでした。しかも、政府は、原発の再稼働のハードルを高くするために、再稼働の手続きに、国と地方の両レベルに”拒否権”をばらまいているのです(今月22日の記事参照)。水源を管理する権限を持つ人が、水の供給を一方的に止めれば、今まで供給を受けていた人々は、死活問題に直面します。人々の生存に関わる決定権は、一部の人に握られますと、他の人々は、生殺与奪の権を掌握されたに等しくなるのです。電力も同じように、電力の供給決定権を持つ側が、一方的に供給停止を決定しますと、供給を受ける側は、有無も言わさず、その決定に従うしかなくなります。つまり、供給を決定する側と、供給を受ける側とでは、前者にしか決定権がありませんので、言わば、両者の間には、支配・被支配関係が成立しているようなものなのです。この状態、民主主義に反しているのではないかと思うのです(普通選挙の実施は民主主義の一部でしかない…)。何故ならば、どこにも、電力供給を受ける側の権利―電力を安定・安価・安全・充分に受ける権利―が保障されいないのですから。
電力供給量は火力による代替で足りるとしても、原発停止に伴う貿易赤字と電力料金の値上げは、確実に産業を蝕み、国民の生活レベルを引き下げます。反・脱原発派の人々とは逆の意味で、現行の手続きは、産業界と国民の権利を無視しているのではないでしょうか。
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